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温泉とは
日本は数多くの温泉が湧く温泉大国で、全国で3,000ヵ所を超える温泉地があります。みなさんにもなじみの多い温泉ですが、改めて「温泉とは?」と聞かれると、多くの方が「地下から湧き出してくる温かいお湯」などと答えるのではないでしょうか。
そこで、ここでは温泉の定義や種類についてご説明します。
温泉法による温泉の定義

実は、温泉には温泉法で定められた定義があります。
それによると、温泉とは、次の2つの条件のうち、1つ以上満たしたものをいいます。
- ① 泉源における水温が25℃以上であること
- ② リチウムイオン、水素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、メタけい素、重炭酸ソーダなど19の特定の成分が1つ以上規定値に達しているもの
つまり、25℃以上の温度で地中から湧き出している水は、特定成分がなくてもすべて温泉ということになります。また25℃以下の冷たい水であっても、地中ガスであっても、特定成分が1つでも規定値に達していれば「温泉」と名乗れるのです。
例えば大分県別府温泉の「寒の地獄温泉」の泉温は13~14℃ですが、リウマチ疾患などに効能がある温泉として知られています。地中から湧出するガスについては、二酸化炭素ガスや硫化水素ガス、ラドンなどが実際にガス状の温泉として利用されています。
このように、特定成分が含まれていなくても、お湯でなくても、液体ではなくガスであっても「温泉」と呼ばれるわけで、ずいぶんとその範囲が広いですね。
温泉と泉質名

このように温泉の定義の意味合いは広いですが、温泉に行くとよく聞く「単純温泉」や「硫黄泉」といった泉質名がつくためには、さらに「療養泉」の条件を満たすことが必要です。
例えば、温泉1kg中に硫黄が1mg以上あれば温泉ですが、「硫黄泉」の名前がつくためには2mg以上含有していなければならないなど詳細な規定があります。
泉質名は大きく分けて以下の9種類に分類できます。
- 単純温泉
- 塩化物泉(食塩泉)
- 炭酸水素塩泉(重曹泉)
- 硫酸塩泉
- 二酸化炭素泉(炭酸泉)
- 含鉄泉(炭酸鉄泉・緑ばん泉)
- 硫黄泉
- 酸性泉
- 放射能泉(ラジウム・ラドン泉)
温泉の種類

温泉は、泉質という含有成分による分類のほか、泉温、水素イオン濃度、浸透圧などによって分類されます。
泉温による分類

温泉は、源泉の湧出口における泉温によって、高温泉、温泉、低温泉、冷鉱泉の4つに分類されます。この温度によって入浴法も違ってきます。
- 高温泉:42℃以上
- 温泉:34~42℃未満
- 低温泉:25~34℃未満
- 冷鉱泉:25℃未満
水素イオン濃度による分類

水素イオン濃度とは、水の酸性度、アルカリ性度を示す指標です。
温泉は、ph値によって次のように分類されます。
- 強酸性:pH2未満
- 酸性:pH2~3未満
- 弱酸性:pH3~6未満
- 中性:pH6~7.5未満
- 弱アルカリ性:pH7.5~8.5未満
- アルカリ性:pH8.5以上
酸性の温泉は「シャキッ」とする泉質で、殺菌効果があり、皮膚病などに効果を発揮します。
アルカリ性の温泉は「つるつる・ぬるぬる」する泉質で、美肌効果があります。